漢方薬と民間薬は間違いやすく、混同して使われます。
下利にゲンノショウコ、便秘にセンナ、皮膚病にドクダミ、イボにハトムギなどは民間薬と呼ばれ、ひとつの薬草に対し、一つの病気が対応しています。
これに対し、漢方薬は、いくつかの薬草で構成され、様々な病気に応用されます。
たとえば、葛根湯は、葛根、麻黄,桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草の7種の薬草で構成され、応用される病気は、感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ炎)、肩こり、神経痛、蕁麻疹、等々です。
漢方薬と民間薬の根本的相違は、漢方薬には診断・治療体系が確立していますが、民間薬にはそのような体系はない、というところにあります。
具体的には、下表のようになります。
漢方薬 | 民間薬 | |
---|---|---|
薬草 | 2種類以上 | 1種類 |
適応と禁忌 | ある | ない |
応用疾患 | 多数 | 1種類 |
使い方 | 漢方の基準に従う | 基準はない |
作用 | 作用あり | 作用がない場合がある |