風邪は、普通、飛沫感染により伝染します。
上気道の粘膜で増殖したウイルスが、くしゃみ、咳によって、飛散する気道分泌物の小粒子に含まれて、空気中に浮遊し、他の人の上気道に進入し、そこで感染を起こします。
数日の潜伏期の後、頭痛、発熱、悪寒、関節痛などとともに、次第に鼻炎症状から咽頭痛、気管支症状へと移行します。膿性の鼻汁や喀痰は二次感染を起こしています。
ウイルスに効く抗生物質は無いので、治療は対症療法になります。
風邪の病態には、多くの因子が関与しています。第一に、宿主の感染抵抗力があげられます。つぎに、普通感冒からインフルエンザまで、ウイルスの毒力が問題になります。
また選択された薬剤の影響も大きく、環境も無視できません。このように風邪と一般にいっても、宿主-ウイルス-薬剤-環境の関連で考える必要があります。
宿主側の防御機構には次にあるような体制が備わっています。
(1)物理的防壁:ウイルスが人の体内に侵入する際、宿主側の最初の防壁は皮膚や、口腔、咽頭、気道などの粘膜です。
(2)生理学的防壁:粘液は殺菌作用のある分泌物を産生し、ウイルスを捕捉し、線毛輸送により、排出する。好中球、マクロファージは食菌作用を営み、全身の免疫ネットワークに異物の侵入を警告します。
(3)免疫学的防壁:ウイルスに対する特異抗体を産生する液性免疫と、免疫細胞自体が防衛する細胞性免疫の両者により、免疫学的防壁を築いています。